養生ってどんなこと?

養生の基本

古来より人は養生の方法を様々な書物に載せています。その中から最も基本的なものを紹介いたします。

  • 健康なときに予防を考える。病気にかかってから治すのは医療の第一義ではない。(治未病)
  • 正しい認識(きちんとした考え)を持つことが健康への第一歩
  • 恬淡虚無(てんたんきょむ)なれば真気これに従う 病にならないために精神を穏やかに保つ(心の養生)
  • 春夏秋冬にふさわしい生活態度(四季に叶う)
  • 過食・偏食にならない食事(腹八分目)
  • 飲酒(食生活)と房事(性生活)を専らつつしむべし
  • 体質によってかかりやすい病も違う
  • むやみに薬は飲むな、薬より養生、服薬は慎重に
  • 日々の生活、自然の生活を楽しみ、心の楽しみを知る
  • 運動は健康増進のもと

病の六不治(りくふじ)

病の六不治は「どうすれば病気が治るか」ではなく、「どうすれば病気が治らないか」に焦点をあてたもので、古代中国の伝説的な名医・扁鵲(へんじゃく)によって唱えられ、「史記」に記載されています。

  1. 驕り(おごり)高ぶって勝手気ままに振る舞い、道理を無視すること(例えば、情報を集め、自己判断してしまう など)
  2. 身を軽んじ、財を重んじること(病気を軽くみて、体よりもお金を大事にすること)
  3. 衣服や食物が適当でないこと(季節に合わない服や食べ過ぎたりすること)
  4. 陰陽が臓腑で合併し、定まらないこと(気がとどこおり、安定しないこと)
  5. 身体がやせ衰えていて、薬を飲むことができないこと
  6. 巫女を信じて医師を信じないこと

養生七不可

「解体新書」で有名な杉田玄白(1733-1817)の著した養生書に「養生七不可」というものがあります。

  1. きのうの失敗は後悔しない
  2. あしたのことは心配しない
  3. 飲むのも食べるのも度を過ぎない
  4. 変わった食べ物は食べない
  5. 何でもないのにむやみに薬を飲まない
  6. 元気だからといって無理をしない
  7. 楽をせず、適当に運動を

養生を考える

「養生」という言葉を調べると、「衛生をまもり健康の増進に心がけること。また、病気をなおすように努めること。」と出てきました。

「養生の基本」「病の六不治」「養生七不可」を読むと、養生とは決まりを決めて厳しく生きるというよりは、心地よい生き方を目指しているように思えないでしょうか?

時には食べ過ぎたり無理をすることもありますが、日々のバランスが養生の根底には流れていて、シーソーのように動いていてもつり合ったバランス(動的平衡)こそが養生に必要なことと言えそうです。