水木しげるさんの著書「のんのんばあとオレ」という本に、「ひだる神」というものについての一文があります。
「柳田国男の「妖怪談義」を読むと、「ひだる神のこと」という文があって、
・・・中略・・・
旅の途中で死んだ人の悪霊が、ダルというものになって、
これが道行く人にとりつくのだという。
そういうときには霊をなぐさめる意味で食物を一口食えばいい。
むかしの人はそのためにフトコロに干飯(ほしいい)を持って歩いたそうだ。」
という風に書かれています。
ひだる神がとりついた時には歩いている最中に突然激しい空腹感や疲労を覚え、手足が痺れたり体の自由を奪われたりし、
その場から一歩も進めなくなり、ひどいときにはそのまま死んでしまうこともあるというような状態になります。
この症状、私見なのですが低血糖症の症状にそっくりな気がします。低血糖症は通常自動で調節されている血糖値が、正常な変動幅を超えて低いほうに傾き、それによる症状が現れるものをいいます。
低血糖症の症状は集中力が落ちる・昏睡などといった中枢神経症状や不安・震え・動悸といった自律神経症状があります。
街中でひだる神に困らされたことのある方は、ひょっとしたら低血糖症かもしれません。あまりに続くようでしたら一度専門医に相談し、検査を受けてみてはいかがでしょうか?