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CSTのリズム

私がCSTを勉強している、アプレジャー・インスティテュート・ジャパンのブログにこんな記事がありました。

ブログから引用します。

デンマークのインストラクター、Thomas Rasmussen先生が、頭蓋骨の振幅を計測したデータを公表しました。

頭蓋骨の振幅はお札の10分の1幅といわれ、手でしか感じられなく機械による計測が難しいものです。

ここが長年の議論の別れ目となって論争になる部分でもありますが、この問題に決着をつけるために博士号を持つ科学者で、日本の大学にも籍を置いて研究活動をした事があるトーマス先生が無作為に選んだ50人を独自に開発した機械で頭にセンサーをつけて計測した臨床データを今回発表しました。

その結果、頭蓋骨は振幅を6.16/分のリズムで動いている事の計測に成功しました。

近いうちにアプレジャーインスティチュートの共通の資料として誰もが共有するできるよう出版されるとの事でした。

頭の骨のデザイン

頭蓋骨は脳を入れる部分と顔の部分でできていて、大事な部分を守るため全体を覆っています。

そして頭の骨は下顎骨を除いて縫合(ほうごう)と呼ばれる、移動をほとんど許さない厳密な接合で連結しています。

そのため通常、解剖学の授業では頭の骨はそう簡単には動くものではないと習います。
例外は新生児の頭の骨だけです。

しかし、CSTでは頭の骨は動くと教わります。これはどういうことでしょうか?

頭の骨が動く?

CSTをはじめたジョン・E・アプレジャー先生はある患者さんの手術の際に脊髄(背骨の中を通る神経)を覆う硬膜(こうまく)という膜が動かないように押さえる役目をしました。

ところが、手術の際に硬膜が動き、どうしてもその動きを止められないことに閉口しました。
そして、その動きが呼吸とも脈拍とも違うことから、その一定のリズムを持った動きについてあるアイディアを持ちました。

「この膜の動きは、その内側にある液体(脳脊髄液)の圧力に反応しているのでは?」

クラニアル・アカデミーのセミナーにて

手術の後、クラニアル(頭蓋)・アカデミーというオステオパシー医のグループのセミナーに参加したアプレジャー先生はそこで「頭蓋骨は動く」ということを学びました。

そのセミナーのテーマの主題は「頭蓋骨は、あたかも、水力学的なシステムに呼応するかのようにリズミカルな運動をする」ということでした。

そこで、アプレジャー先生は「頭蓋のそれぞれの骨は、普通の状況下では、生涯、相互に動き続ける」という考え方を持ち帰りました。

半密閉水力学システム

手術の際に発見した膜の動きはその後、水力学的システムであり、一定にコントロールされて流入・流出している特別な箇所を除き、水も通さないことから、半密閉水力学システムだと考えるようになったアプレジャー先生は数多くの論文を出しました。

その論文はかなりの間、ほかの研究者からの確証は得られませんでしたが、スイスのチューリッヒに住む神経外科の教授がその論文を読み、アプレジャー先生の観察したことを自分の経験から支持しました。

その教授は、約二万件の脳および脊髄の手術を手掛け、そのうち、約一万一千件が脳、約九千件が脊髄の手術で、硬膜にメスを入れる前、アプレジャー先生が記述したのと同じリズミカルな活動を観察したが、これまで全く興味を持たなかっただけだったいうことです。
(興味を持たなかったのは、全神経を手術の手順に集中させなければならなかったからです)

頭蓋骨は動く

アプレジャー先生はその他にもアメリカやイギリスの解剖学では頭蓋骨は動かないとされていましたが、イタリアの解剖学の教科書が、「通常の状況下では、頭蓋骨は融合しない」と教えていることを知ったそうです。

つまり、どちらが正しいというよりも、医学の教えは不変のものではなく、人体はもっと複雑でいまだに謎に包まれ違った見方や考え方があるということなのでしょう。

アプレジャー先生はこの頭蓋骨の動きを、「脳脊髄液の圧力と量が上下することへの対応で、半密閉水力学システム内で起こっている」と考えたのです。

CSTの誕生

研究をつづけたアプレジャー先生は自分の観察した半密閉水力学システムのアイディアとクラニアル・アカデミーのセミナーで学んだことを合体させ、「変わった」治療をすることで有名になりました。

そこから生まれたのが、CSTです。

CSTの方法

CSTで感じる動きは6秒で1回ぐらいの、呼吸とも脈拍とも違うリズムを持ちます。

骨をハンドルにして、このリズムを調整していくのがCSTなのです。
当然、大切な脳や器官を守る部分ですから、強引なアプローチは危険が伴います。

そのため、CSTではソフトな触れ方で施術をしていきます。

この記事の意義

冒頭に引用した記事に「頭蓋骨の振幅はお札の10分の1幅といわれ、手でしか感じられなく機械による計測が難しいもの」とありましたが、それを計測できたとしたらとても大きな意味を持ちます。

アプレジャー先生が考えて研究し、広まったCSTのコアとなるこの部分を追試して、議論して、研究が進むならば、きっと何かの発展があり、困っている方のお役に立てるかもしれません。

冒頭で紹介した記事にはこんな大きな意義があるのです。

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アプレジャー・インスティチュート・ジャパン

参考文献

この記事は以下の本を参考にしています。

  • クレニオ・セイクラル・セラピー ナチュラル・ヒーリングの試金石
  • 著者:ジョン・E・アプレジャー 訳者:細山田 紀子
  • たにぐち書店
  • 2,000円+税
  • ISBN978-4-925181-81-5 C3047 ¥2000E

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